薬剤師会

薬剤師国試、自己採点で就職辞退も‐問題精査など要望

薬+読 編集部からのコメント

日本私立薬科大学協会が第100回国試の試験問題検討結果報告書をまとめました。不適切問題や補正対象問題が例年より多かったこと、自己採点で就職を辞退した学生がいたことなどを指摘し、問題精査や出題傾向の改善を厚労省に求めています。

日本私立薬科大学協会は、第100回薬剤師国家試験問題検討結果報告書をまとめた。受験者全員が正解扱いとなった不適切問題と補正対象問題が計14問と例年に比べ突出して多かったことにより、学生が自己採点の結果で就職を辞退するなど、混乱を来したことを指摘し、事前の問題精査や出題傾向の改善などを厚生労働省に求めた。


 

報告書では、今年2月28日と3月1日に実施された薬剤師国試の合格率について、「昨年に引き続き、極めて低い結果となった」との認識を示した。

 

その上で、試験問題に不適切な記載があり、正解となる選択肢がなかったため、全員を正解とする不適切問題が3問、問題としては適切だが、受験者の正答率や選択肢問題の良否を決める識別指数などを考慮して全員を正解扱いにする補正対象問題が11問に上ったことに触れ、「国家試験の合格発表前に自己採点の結果で就職を辞退せざるを得なかった学生が、国家試験が合格となっても希望の職種に就けなかったという事例が、全国的に見られている」と指摘した。

 

また、試験当日になってからの問題訂正が9問あったことや、問題の主文や補足説明文が受験生に混乱を与えた可能性があるとされていることについても言及。「これらは、事前の問題精査が十分であれば避けられたと思われる」と改善を求めた。

 

今回の国試では、「医療機関で希にしか遭遇しない疾患や、薬物治療で第2選択・第3選択の薬剤を問う設問が多いとの指摘があった」ことにも触れ、基本的な知識・技能・態度を有した薬剤師として医療現場に受け入れられるかを判断する資格試験という国試の主旨に則り、「一般的な疾患や第1選択薬を問う問題が主流となることを要望する」とした。

 

同協会では、全国の国公私立薬科大学・薬学部から全ての試験問題に対する評価や意見を収集した上で、担当教員が集まって最終評価を行い、その結果を報告書にまとめている。

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出典:薬事日報

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