医療

16年度改定方針大筋まとまる‐「門前薬局」の評価引下げ

薬+読 編集部からのコメント

社会保障審議会医療部会が2016年度診療報酬改定の基本方針を大筋で了承したというニュース。かかりつけ薬剤師・薬局を評価する一方、かかりつけ機能を発揮できていない門前薬局の評価を適正化する方針です。

社会保障審議会医療部会は4日、2016年度診療報酬改定の基本方針案を大筋で了承した。地域包括ケアシステム推進の取り組みを強化し、かかりつけ薬剤師・薬局を評価する一方、残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬の削減、かかりつけ機能を発揮できていない門前薬局の評価を適正化する方針を盛り込んだ。


 

基本方針案は、2日の医療保険部会でも議論し、「不適切な長期投薬」の記載を盛り込むことに委員から疑問も示されたが、概ね了承している。その中で、重点課題の地域包括ケアシステムの推進と医療機能の分化・強化、連携に関する視点では、多職種の活用によるチーム医療を評価し、患者の薬物療法の有効性・安全性確保のため、服薬情報の一元的把握とそれに基づく薬学的管理・指導が行われるようかかりつけ薬剤師・薬局の機能を評価する。

 

患者にとって安心・安全で納得できる効果的・効率的で質が高い医療を実現する視点では、ICT(情報通信技術)を活用した医療連携による医療サービスの向上の評価を進める方針を打ち出した。

 

効率化・適正化を通じて制度の持続可能性を高める視点では、医師と薬剤師の協力により、残薬や重複投薬、不適切な多剤投薬・長期投薬を減らすための取り組みを推進すると共に、患者本位の医薬分業を実現するための調剤報酬の見直しを明記。服薬情報の一元的把握とそれに基づく薬学的管理が行われるよう、かかりつけ機能を発揮できていない門前薬局の評価の適正化を推進していく方針を盛り込んだ。

 

将来を見据えた課題としては、18年度の診療報酬・介護報酬同時改定を見据え、地域包括ケアシステムの構築に向け、在宅医療・介護の基盤整備の状況を踏まえつつ、質の高い在宅医療の普及やICTの活用による医療連携、医薬連携等について、引き続き検討を行う必要があるとした。

 

さらに、国民が主体的にサービスを選択し、活動することが可能となるような環境整備を進めるため、予防・健康づくりやセルフメディケーションの推進などについて広く議論が求められるとした。

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出典:薬事日報

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