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無床施設使用に「待った」~メフィーゴ、部会差し戻し 薬事審議会

薬+読 編集部からのコメント

薬事審議会は、無床診療所においてラインファーマの経口人工妊娠中絶薬「メフィーゴパック」の使用を認める案に対し、日本産婦人科医会側からの「無床診療所で使用するには体制整備に時間がかかる」との意見を踏まえ、結論を保留しました。

薬事審議会は25日、ラインファーマの経口人工妊娠中絶薬「メフィーゴパック」について無床診療所で使用を認める案に対し、日本産婦人科医会側からの「無床診療所で使用するには体制整備に時間がかかる」との意見を踏まえ、結論を保留した。無床診療所に対する講習受講の義務化や流通管理体制等のデジタル化、安全性確保のための資材作成など、メフィーゴの適正使用を確実に進めるための事項に対応した後、改めて薬事審議会医薬品第一部会で審議する見通し。

 

メフィーゴは現在、適切な使用体制のあり方が確立されるまでの当分の間、入院可能な有床施設において使用することとなっている。8月26日に行われた薬事審議会医薬品第一部会で、厚労省がメフィーゴを無床診療所で使用することを提案し、委員からも特に異論が出ていなかったが、この日の審議会で「待った」がかかった。

 

厚生労働省によると、「審議会から部会の差し戻しはあまり例がない」という。その上で「メフィーゴの有効性・安全性の疑義が呈されたわけではない」とし、結論を出さなかった理由については「体制準備に時間を要するため」と強調した。

 

この日の審議会では、日本医師会から意見書が提出され、▽講習受講の義務化▽流通管理体制等のデジタル化▽安全性確保のための資材▽国民への正しい情報提供――の四項目について無床施設での使用を可能とする適正な運用を進めるために早急な対応が必要とした。

 

無床診療所の講習受講については、経口中絶薬を用いた中絶診療のみ実施し、外科的処置を一切行わない診療所が生じることがないよう、関係学会による講習などの受講を義務化するよう求めた。

 

また、現時点では普及の地域格差が著明であり、都道府県医師会の事務手続きの負担における格差が大きく、症例数の多い都市部の医師会における事務作業は逼迫状態にあることから、「報告・突合体制の効率化を図るため、流通等の管理プロセスのシステム構築(デジタル化)を行う」ことも要求した。

 

厚労省によると、「無床施設での使用をもっと議論した方がいいという雰囲気だった」ことから、医師会からの意見書や産婦人科医会の意見を踏まえて、メフィーゴの適正使用を確実にする観点から対応が整った後に、部会で改めて議論することを決めた。

 

一方、2剤目を投与された者に対しては、居住地が投与施設の近隣でない場合には入院・院内待機が必須とされていたが、今回の審議会で帰宅を可能とすることを了承した。

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出典:薬事日報

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